こんにちは!元NICU(新生児集中治療室)看護師のゆいです。
今回は、出産を控えている妊婦さんやパートナーの皆さん、そして新生児の育児に携わる方々に向けて、赤ちゃんが産まれてから入院中に受ける検査について、検査の必要や検査の方法、費用など詳しくお話しします。
はじめての出産、はじめての育児に追われて、何この検査?必要なの?赤ちゃんに負担はかからないの?と不安になりますよね。
そんなお悩みを一緒に解決しましょう!
1. 新生児検査の重要性
新生児の検査は、赤ちゃんの健康状態を正確に評価し、早期に潜在する問題を発見するために不可欠です。これらの検査は、命にかかわる疾患や障害を早期に発見し、適切な治療やケアを開始することができるようにします。また、親御さんにとっても、赤ちゃんの健康状態を知ることで安心感を得ることができます。
2. 新生児が受ける検査の種類
赤ちゃんが産まれてから退院までに受ける主な検査は、以下の3つだよ!
それぞれ詳しく説明していくね!
新生児の身体検査: 赤ちゃんの身体全体をチェックし、先天性の異常や問題を見逃さないようにします。心臓、肺、脳、腹部などの構造や機能を評価します。
新生児マススクリーニング検査(新生児の代謝性疾患や遺伝子疾患の早期発見): 血液検査やヒールピックなどの方法を使用して、代謝性疾患や遺伝子疾患をスクリーニングします。これらの疾患は早期発見が必要であり、早期治療が命を救うことがあります。
新生児聴覚スクリーニング(OAE、ABR): 聴覚機能のスクリーニングを行い、聴覚障害を早期に発見します。聴覚は言語発達や社会性の発達に重要な役割を果たすため、早期発見が重要です。
3. 新生児マススクリーニング検査
新生児マススクリーニング検査は、出生直後から数日以内に行われます。親の同意を得て行われる検査であり、検査を受けるかどうかは選択することができます。
検査の目的
- 代謝異常の早期発見: 代謝異常は、身体が必要な栄養素を正しく処理できない状態です。新生児期にこれらの異常を早期発見することで、適切な治療や管理が可能になります。
- 遺伝子疾患の早期発見: 遺伝子疾患は、遺伝子に関連する疾患であり、早期に発見することで、適切な治療やケアが提供されることがあります。
検査方法
新生児マススクリーニング検査は、一般的に血液検査やヒールピック(かかとの皮膚を刺して採血する方法)を使用して行われます。この検査では、赤ちゃんから採取された血液を検査し、特定の疾患や異常のマーカーを見つけます。
新生児マススクリーニング検査でどんな病気が見つかりますか
- 代謝異常の検査:
- マススクリーニング検査では、代謝異常を早期に発見するためのテストが含まれます。これには、フェニルケトン尿症、先天性甲状腺機能低下症、ガラクトース血症などの疾患が含まれます。これらの疾患は、早期発見と適切な管理が重要であり、遅れると神経学的な障害や発達障害を引き起こす可能性があります。
- 遺伝子疾患の検査:
- マススクリーニング検査には、遺伝子疾患を早期に発見するためのテストも含まれます。これには、先天性難聴やシステム性エリテマトーデスなどの疾患が含まれます。これらの疾患は、早期の治療や支援が重要であり、赤ちゃんの健康や発達に影響を与える可能性があります。
- その他の異常の検査:
- マススクリーニング検査には、その他の種類の異常も検査されます。これには、先天性心疾患や血液疾患などが含まれます。これらの異常は、赤ちゃんの将来の健康や発達に影響を与える可能性があります。
費用
新生児マススクリーニング検査は、通常は医療機関によって提供され、実施主体は都道府県および政令指定都市で、公費負担で行われています。したがって、一般的には親に費用が発生することはありません。ただし、追加の検査や治療が必要な場合には、費用がかかることがあります。
・新生児マススクリーニング検査は出生後数日以内に行われる
・代謝異常や遺伝子疾患早期発見のために行われる
・血液検査やヒールピックによって実施される検査
・公費負担のため、費用が発生することはない
4. 新生児聴覚スクリーニング検査
聴覚スクリーニング検査は費用がかかるって聞いたんだけど、した方がいいのかな?
自己負担だけど、助成金が出るから、お金はほとんどかからないよ!詳しく説明するね!
新生児聴覚スクリーニング検査は、生後3日以内に行われる検査です。親の同意を得て行われる検査であり、検査を受けるかどうかは選択することができます。
検査の目的
新生児期に聴覚障害を早期に発見し、適切な治療や支援を始めることです。聴覚は言語や社会的な発達に不可欠な要素であるため、早期の発見が重要です。
検査方法
新生児聴覚スクリーニング検査は、非侵襲的な方法で行われます。通常、赤ちゃんが眠っているか静かな状態の時に行われます。イヤフォンを耳に装着し、耳から音を発生させます。その後、耳の反応を検査するために専用の機器が使用されます。検査自体は短時間で終わることが一般的です。
費用
新生児聴覚スクリーニング検査は、保険対象外となりますので、検査費用は全て自己負担です。検査費用は2,000円~10,000円と医療機関によって異なりますので、検査を受ける医療機関に御確認ください(出産費用に含まれている場合もあります。)。
保険対象外ですが、全ての赤ちゃんが安心して検査を受けられるようにするため、ほとんどの地域で、検査費用の一部助成を行っています。上限額や里帰り出産時の対応など、詳細については、お住まいの市町村母子保健担当窓口へお問い合わせください。
・新生児聴覚スクリーニング検査は出生後3日以内に行われる検査
・聴覚障害の有無の早期発見のために行われる
・赤ちゃんが眠っている状態で音に発生させ、耳の反応をみる非侵襲的な検査
・保険適応外のため、費用は自己負担だが、検査費用は助成されている
5. 検査結果の意義と対処方法
検査結果は、赤ちゃんの健康状態を把握するために重要な情報源です。時には、異常が見つかることもありますが、それは専門家が早期発見し、必要なケアを提供するための手段です。適切な対処とケアが行われれば、多くの場合、問題は解決されます。
6. まとめ
赤ちゃんが産まれてから、入院中に受ける主な検査はこの3つだよ!
・身体チェック
→ 医師が診察し、全身に異常がないかチェックする
・新生児マススクリーニング検査
→ 代謝異常や遺伝子疾患がないか採血でチェックする検査。検査を受けるかどうかは親の自由意志だが、公費負担であり、費用がかかることはない。
・新生児聴覚スクリーニング検査
→ 聴覚障害がないかどうかを確認する検査。赤ちゃんが眠っている状態で非侵襲的に行われる。保険適応外のため、費用は自己負担だが、助成金がもらえる。
新生児の検査は、彼らの健康状態を評価し、早期に問題を発見するための重要なステップです。
赤ちゃんにとって負担がかかるのではないか、本当に必要なのだろうか、と不安になり、悩むことも多いと思います。
あくまでも個人的な意見ですが、これらの検査は是非受けていただきたいです。検査を受けることで、病気や体の異常を早期発見でき、早くから対応することができます。
お父さんやお母さんにとっても、 “あの時検査を受けていれば…” と後悔をして欲しくないです。
もし質問や疑問があれば、お気軽にコメントしてくださいね。
健やかな育児ライフをお過ごしください!
コメント