新生児の黄疸治療ガイド:元NICU看護師が説明する光線療法の疑問

赤ちゃん

こんにちは!元NICU(新生児集中治療室)看護師のゆいです。

今回は、黄疸で治療が必要となった赤ちゃんのママやパパが疑問に思うことについて一つずつ説明していきます!

この記事を読んだらわかること

・光線療法の治療スケジュール

・光線療法中の授乳方法

・光線療法中の母子同室について

・光線療法による赤ちゃんへの悪影響

1.黄疸とは

黄疸とは、多くの新生児に生じる一般的な症状の一つで、皮膚や白目が黄色く見える状態を指します。

黄疸は、全ての赤ちゃんに多かれ少なかれ見られる生理的な現象であり、出生後2、3日後に出現し、1週間程度で自然に改善されます

黄疸について、詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください▼

2.黄疸の治療方法

重度の黄疸や病的な黄疸の場合は、以下の治療が必要な場合があります。

  • 光線療法
  • 交換輸血
ゆい
ゆい

治療の詳しい説明は、次の章でしていくよ!

3.光線療法とは?

光線療法は、皮膚に特殊な光を照射することで、血液中のビリルビン分子を変化させ、体外への排出を促す治療法です。

ゆい
ゆい

黄疸で治療が必要になった赤ちゃんは、光線療法が第一選択だよ

4.光線療法 Q&A

Q1.治療の流れについて教えてください

病院施設によって多少異なりますが、以下のようなスケジュールになります。

1日目2日目3、4日目

保育器、またはベットの中で、オムツだけの状態で、24時間光線療法を開始します。
目への刺激を避けるため、アイマスクを使用します。
治療開始から24時間経過するまで治療を続行します。
採血でビリルビンの値が低下すれば光線療法を終了し、経過を観察します。
ビリルビン値の再上昇がないか確認します。

ビリルビンの値が正常値まで低下しなかった場合は、光線療法は継続することになります。

この際に、いつまで継続するか、次の採血はいつするかどうかは赤ちゃんの状態やビリルビンの値などから医師が診察をして判断します。

Q2.光線療法中は授乳することはできますか?

光線療法中でも医師からの許可がある場合は、授乳することは可能ですが、授乳時間は30分程度になります。

黄疸によって、赤ちゃんの飲む力が弱い、すぐに疲れてしまうなど場合によっては、看護師が哺乳をすることがあります。

ゆい
ゆい

授乳中は、光線療法を一旦ストップしないといけないから、授乳時間が決められているよ!

Q3.光線療法中は、母子同室はできませんか?

一般的に光線療法中は、お母さんとの同室を一旦離れて、GCU(新生児回復治療室)で治療を行います。

しかし、最近は母子同室を続けながら、光線療法が受けられるような機械を導入する病院も増えてきています。

光線療法終了後は、採血などでビリルビンの値をチェックしますが、すぐに母子同室を再開することができます。

Q4.光線療法をすると皮膚がんになると聞いたのですが、本当ですか?

皮膚がんにはなりません。

新生児の皮膚に一時的な赤みや乾燥を引き起こす場合がありますが、通常は軽度です。

Q5.アイマスクをするのはどうしてですか?

動物実験により、光線療法が目の網膜と性腺に毒性があることが分かっています。人体実験は行われていませんが、この結果から、光線療法中はアイマスクとおむつを装着することが推奨されています。

5.交換輸血

この治療法は、非抱合型ビリルビン値が非常に高く、光線療法で十分な効果が得られない場合に用いられるます。

交換輸血とは、新生児の血液を少しずつ体外に出して、その代わりに同量のドナー血液を補充します。これにより、血流中から速やかにビリルビンを除去できます。

ゆい
ゆい

交換輸血をするケースは非常に稀だよ!

私も看護師をしていて、交換輸血をした赤ちゃんは見たことがないよ。

6.黄疸が進行した場合に起こる身体への影響

血液中のビリルビンが少し多くても体に害はありません。

しかし、赤ちゃんの黄疸が治療されずにビリルビンが多くなると、いくつかの悪影響が生じる可能性があります。

  1. 黄疸性脳症: 重度の黄疸の場合、ビリルビンが脳に影響を与える可能性があります。これは黄疸性脳症として知られ、赤ちゃんの意識レベルを低下させ、痙攣や筋肉の硬直などの神経学的な問題を引き起こす可能性があります。
  2. 脳損傷: 長期間にわたる高いビリルビンレベルは、脳に損傷を与える可能性があります。
  3. 長期的な影響: 未治療の黄疸が脳に影響を与えると、言語発達や学習能力に影響を与える可能性があります。また、黄疸性脳症が重症化すると、死亡する可能性もあります。
ゆい
ゆい

少し心配になる話でしたね。

黄疸は適切な治療を受ければ大丈夫!治療をしなければならなくなった場合は、黄疸の治療を優先させましょうね!

7.まとめ

黄疸での治療法は、光線療法、交換輸血があり、光線療法が治療の第一選択になります。

光線療法のポイントは以下の通りです。

・光線療法が必要になった場合、24時間は治療が継続される

・治療開始24時間後に採血や診察を行い、ビリルビンの値が低下していれば、光線療法は終了となる

・光線療法中は、基本的にGCUに入院し、治療が終了すると母子同室が再開される

・光線療法中の授乳は、医師からの許可がある場合可能である
 光線療法を一時中断するため、授乳時間は30分程度と決められている

8.おわりに

ママ、パパのお悩みや疑問は解決できたでしょうか?

産まれて間もない我が子が、黄疸だと言われて治療が必要だと言われたとき、本当に不安ですよね。

そして、保育器に入り、アイマスクを着けられ、治療を受けている我が子を見ることは、とてつもなくショックだと思います。

泣いても大丈夫。

わからないことや不安は誰かにぶつけて大丈夫ですよ。

質問や疑問があれば、お気軽にコメントしてくださいね!

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